「花瓶が7〜8個あるんですが、買い取っていただけますか?」
そんな一本のお電話から始まったお話です。
「自宅には来てほしくない」――その気持ち、よくわかります
お電話をくださったのは、ご友人の代わりに動いてくださっている男性の方でした。
「持ち主は自宅に来てもらうのは難しい、と言っている」とのことで、「買取り依頼なのになぜ?」と思いつつも、古物営業法上ご自宅以外では出張買取りはできないため、いったんはお断りの形になりました。
後から考えると、見知らぬ買取業者を自宅に上げることへの不安や昨今の悪質な「押し買い」被害のニュースから、 「まず相手を見てから」と慎重に動かれたのだろうと気付きました。むしろそれが賢明な判断ですし、私も同じ立場なら同じようにします。
しばらくして、またお電話をいただき、「写真を撮ってきたので、直接見てほしい」と、わざわざ事務所まで足を運んでくださいました。
おそらく私が信頼できる相手かどうか、確かめに来てくださったのだと思います。
写真の花瓶類は、正直なところ高価なものではありませんでした。
それでも誠実に向き合い、適正な見積もりをお伝えしてお別れしました。
信頼してもらえた日
後日ご連絡をいただき、改めてご自宅へお招きいただきました。
お会いした持ち主の女性は溌溂とした印象の方で、ご年齢のこともあり「使わないものを少しずつ整理したい」とのことで、リビングの食器棚の洋食器や、ノリタケなどをまとめてお買取りさせていただきました。
また、食器棚のカトラリーは一本一本確認させていただき、銀の刻印が入ったフォークが見つけ、銀の相場価格でお買取りしました。「まさかこんな値段がつくとは思わなかった」と、大変喜んでくださいました。
当店では、基本的に貴金属は相場でのお見積りとなります。古いから、汚れているからという理由で貴金属相場を大きく下回る金額での買取はしません。
その他、値段のつきにくい食器類も少しお値付けさせていただき、「捨てるしかないと思っていたから助かった」という言葉もいただきました。
名刺の一行が、扉を開けた
当店の名刺には、買取品のリストに「古伊万里」を明記しています。
最初にお電話をいただいた男性が、その名刺を持ち主の女性にお渡しいただいたようで、訪問前のお電話で「古伊万里かどうかわからないけど、そういうものがある。見てほしい」とご連絡をいただきました。
伺ってみるとたくさんの木箱が並べられており、開けてみると江戸時代の古伊万里の金襴手と呼ばれるお皿たちで、割れや欠けも少なく、状態の良いものがきちんと箱に納まっていました。
こういう瞬間が、この仕事の醍醐味です。きちんとした価格をつけてお買取りしました。
あわせてマイセンのブルーオニオンも数客ご縁をいただきました。
18世紀にドイツの名窯マイセンが生み出したこの文様は、今も世界中に愛好家がいます。
当店は、古伊万里・和骨董だけでなく、こうした西洋磁器もきちんと見ることができますので、洋食器の行き先にお困りの方もぜひご相談ください。
漆の椀――採算より、好みが動いた
最後に出てきたのが、漆の椀10客でした。
漆器は正直、買取の場では値がつきにくいものです。需要が少なく、なかなか次の方へつなげにくいジャンルでもあります。
ただ、お見せいただいた椀は造形が端正で、塗りに深みがあり、蒔絵の意匠も丁寧でした。
私は日本の手仕事を大事にしていますので、良いものであれば、そのモノに失礼のないようお見積りさせていたきたいと考えています。こちらは採算度外視でお値付けさせていただきました。
この話でお伝えしたいこと
見知らぬ業者を家に入れる前に、人を見る。それはとても正しい判断です。
当店はご自宅への訪問を強引にお願いすることはしません。
写真だけ、査定だけ、話を聞くだけ――そこから始めていただいて構いません。
貴金属は相場で、骨董は現在の価値に見合った価格で。信頼していただけるペースで進めていきたいと思っています。
「整理したいけれど、業者に頼むのが不安で……」という方、まずはお電話ください。
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会社名:アンティーク ダイシン(東村山市商工会会員)
代表:横田 覚
HP:https://antique-daishin.com/
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